黄金のアフガニスタン展

 国立博物館の表慶館で開催されている黄金のアフガニスタン展をカミさんと見てきました。

 アフガニスタンはシルクロードの拠点で古くから文明の十字路として栄えた国です。古代遺跡から発見された財宝はアフガニスタンの国立博物館に収蔵されていたそうですが、ソ連の侵攻とその後の内乱などで失われてしまったとみられていました。ところが、国立博物館の職員たちは貴重な財宝が失われないよう、大統領府の地下金庫などに財宝を移し、その後14年にもわたって密かに守り続けていたそうです。2003年にそのことが公になると、彼らは「鍵の番人」として賞賛され、文化遺産復興を支援するために国際巡回展が企画されました。2006年のフランス国立東洋美術館での開催以来、メトロポリタン美術館、大英博物館など世界10か国を巡回したそうです。

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 展示は紀元前2000年頃の先史時代から紀元後まで4部構成となっていました。紀元前2000年頃にはすでに美しい金細工が行われていたそうです。紀元前3世紀頃とみられる「車に乗った大地の女神」はペルシャ風の戦車に乗った小アジアの大地の女神がギリシアの神ニケを従えるという構図で、まさに文明の十字路という名にふさわしいものです。

 アフガニスタン北部の言葉で「金の丘」を意味するティリヤ・テペでは、野ねずみなどが地面を掘り返すので、地中に埋まっていた財宝の金製品などが見つかっていたそうです。ここで1978年に遊牧民の有力者の墓が6基手つかずの状態で発見されたそうです。その6基の墓には人骨とともに膨大な量の金製の装飾品が埋葬されていました。まさに黄金のアフガニスタンです。金製品やトルコ石などになされた非常に細かい装飾は高度な技術の証といえます。王妃の王冠とみられる冠は、奈良の藤ノ木古墳で出土した冠との類似性が指摘され、文化がシルクロードを伝って遠く日本まで及んでいたことが分かります。

 最後に第5部として、アフガニスタンから日本に入った流出文化財が展示されていました。アフガニスタンの混乱の中、多くの文化財が国外に持ち出され、その一部は日本にも入ったそうです。平山郁夫氏の呼びかけで、これらの流出文化財は日本国内で保全され、この機に102件がアフガニスタンに返還されることになったそうです。実際にはまだ秘匿されている文化財も多いと思われますので、いかに多くの文化財が流出したか、ということが想像されます。

 展覧会のタイトルに「守りぬかれたシルクロードの秘宝」という副題がついていますが、まさにその通りと感じました。現在、アフガニスタン国立博物館の入口には、「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」 と書かれているそうです。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 国立博物館 黄金のアフガニスタン展

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